~多様な唾液の役割~Various saliva system

2023/04/07

唾液は、病原細菌から歯と歯周組織を守り、口腔内の機能を維持、保全するためには欠かせないものです。
唾液は、舌下腺、耳下腺、顎下腺の三大唾液腺から主に分泌され、以下のような多様な作用があります。

① 再石灰化作用(エナメル質へのカルシウムイオン、リン酸イオンの取り込み沈着を促す、スタセリンの作用もあり)
② 自浄作用(唾液の水分で、不要な汚れを洗い流す)
③ 潤滑作用(口腔内の潤いを保ち、滑らかな状態を維持する、ムチン、唾液プロリンリッチたんぱく質)
④ 抗菌作用(細菌の繁殖を抑制する、ペルオキシダーゼ、リゾチーム、シスタチン、ヒスタチン、分泌型IgAなどの作用)
⑤ 消化作用(アミラーゼなどの消化酵素の働きで、食物の消化を助ける)
⑥ 粘膜保護作用(粘膜を守る作用、ムチン、唾液プロリンリッチ蛋白質)
⑦ 食塊形成作用(適度な水分を含ませ、咀嚼した食物を塊にする)
⑧ pH緩衝作用(酸性、アルカリ性に傾いた状態を中性に近づける。重炭酸塩HCO3-/H2CO3、リン酸塩HPO4 2− /H2PO4−の緩衝作用)
⑨ 粘膜修復作作用(傷ついた粘膜を治す)
⑩ 溶解作用(固形物の溶解、分解→味蕾で味覚を感じる)

唾液分泌量の減少して、口腔内が乾燥した状態になると、う蝕、歯周疾患のリスクが高まります。
また義歯がうまく吸着しなかったり、義歯が擦れて擦過痛が起きたり、顎堤粘膜に傷がついたりしやすくなります。また口臭の原因にもなります。

唾液分泌の減少を防止するためには、日常生活や就寝時においては口を開けたまま呼吸をせず、「鼻呼吸」を心掛ける。食事の時は、食べ物を急いで一気に丸呑みせず、「ゆっくりと、よくかんで食べる」ようする。ことが効果的です。

補助的に唾液分泌を促す方法として、唾液腺マッサージや、口腔保湿剤、マウスリンス、マウスジェルの使用が挙げられます。

適度な唾液分泌量を維持して口腔内の健康を守っていきましょう。

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